GEISAI#12 フォトレポート

世界的な経済危機がなんのその、今春もエネルギッシュに開催されました、GEISAI#12! 過去最大級の規模をほこり、大型企画が満載だった前回と比べると、豪華な演出は自粛され、シンプルになった印象はありました。けれど、過去のGEISAIを知る人たちからは、「これが本来のGEISAI!」と、等身大のほどよいサイズ感は、むしろ歓迎されている様子。観客は会場をゆっくり楽しんで見て回れるし、しかも、全体的に作品がレベルアップしている!というポジティブな声が続出です。たしかに、バブルに翻弄されず、制作に集中している参加者の気合いは、展示作品からひしひしと伝わってきます。日本のアートシーンの底上げというミッションを達成し、ひとつの時代を築いたGEISAIも、初心にかえり、次のステージを迎える時期にさしかかっているのかもしれません。力の入った作品が並ぶブース展示から、まずはご紹介します。

  • A-043上野紗代さん「ハレケ」。淫靡でシュールな日本的小宇宙。精巧な木彫はどれも完成度高し。
  • 今回の最年少参加者、A-110 ATSUさん「ぼくの世界」。左上作品が「大不況」、その右が「救世主」。楽しんで制作しているそうで、作者としてもてなす様も堂々としていました。
  • A-186 red spiral.cityさん。黒人差別問題を扱った寸劇を上演していました。パフォーマンス自体が減ってきているなかで異色の存在。
  • ダンボールを素材に使ったB-007 黃沛瀅さんの「欲望魔髪」。
  • ほとんど撮影会状態になっていた、B-016 照沼ファリーザさんの人気ブースのすぐお隣で、東浩紀のゼロアカ道場が盛り上がっていました。
  • C-040 イズオさん。まさに「犬神家の一族」の世界観。無人の村を訪ねた記録写真や、殺傷事件のあった家の模型など、正直、相当コワイですが、ホラー&コミカルなコスプレが、絶妙のバランスをとってます。 今回も力作ぞろい。
  • B-092 kon matsuyamaさんの彫像も心惹かれます。
  • B-095 芝辻詩子さんの「人間ドッグショー」。
  • B-098 女子高生UMAハンター大海原ネス子さん。ネッシーのヒレとかも売られていて、このツチノコは一体400円でした。
  • 今回目立ったモチーフは、なんといってもスイーツ!
    B-130 mi_shimashimaさん。スイーツ化したアイテムを身につけるのも一興。
  • B-149 Justin Lee Chee Kongさんはシンガポールからの参加者。今回も国際色豊かな参加者がしのぎを削っていました。
  • ナイジェリア出身、B-152 Jelili Olorunfunmi Atikuさんのパフォーマンス。生身の人間がいるとわかったときは、ぎょっとしました。
Text by Noriko Miyamura