GEISAIミュージアム#2 フォトレポート

600組を超える今回の出展アーティスト。気になるブースの様子は、過去のGEISAIで「GEISAIファン倶楽部」というブースを出したこともある、美術ライターの宮村周子さんにご紹介いただきましょう!

美術ライター宮村周子さんによる「超極私的ブース案内@GEISAIミュージアム2」

10回の節目でいったん幕を閉じたGEISAIが、1年半ぶりに復活するというので、喜び勇んで会場入りした人は多いのではないでしょうか。なにしろ、GEISAIほどたくさんの未知の才能に、一度に出会える場所は、ほかにはそうそう見あたりません。実際、GEISAI出身のアーティスト達が、その後に本格的な活動を展開していく様を目の当たりにすると、お宝探しをするワクワク感も、俄然盛り上がるというものです。

それでは、ミュージアム形式をということで一層気合いの入った会場をまわり、個人的に気になったブースを、以下に紹介していきます。さて、金の卵はいくつ見つかるでしょうか?!

のっけから一目惚れした、野尻省吾さんの作品展示。山脈と不思議な人物のいる箱庭世界。最後まで気になり続け、結局一点を購入しました!

 

大源麻友さん。連れの方と「すごい!」と、その日本画の技量に驚嘆しましたが、やはりというべきか、見事2位を受賞。この金魚の絵は、なかなかそそられました。

ノベアリヒロさん。この展示方法は新しい!

 

noriko☆さん。今回はミュージアムということで、全体的に展示はコンサバな傾向が強かったですが、いい意味でGEISAIのフリマ・スピリットを体現していたブース。手作りのカレンダーもよく出来てた!

Fujita F Fujitaさん。初発表とは思えないほど、ユーモラスな絵柄も達者な展示も見応えあり。

 

ほそやまだとみえさん。線のつながり具合が不思議で、どことなく昔懐かしのレトロ感に惹かれました。

Calaさん。ダンス好きで、ごひいきのダンサーを絵にしてるとのこと。で、その動きを屏風にしたところが面白いなあと。

画家屋絵描堂・カイノさん。同じ抽象パターンで覆ったのぞき小屋のような部屋をつくり、入れ子状の構成を展開。今回意外と少なかった大がかりな展示にチャレンジしていることに拍手。

 

touko okamuraさん。実は細部がコラージュっぽく、凝ったつくり。ネットなどを通じてすでにファンもいるそうです。

会田誠チルドレンの面々、NATURAL HI!!。GO FOR FUTUREをスローガンにライブも物販もやる賑やかなコーナー。

台湾からやってきた二人組の好女孩さん。パタンと閉じるとカバン状になるポータブル・アート。今回のGEISAIは、参加者の顔ぶれが驚くほど国際色豊か。

 

みやたゆきさんは、オリジナルのキャラクターをオブジェやグッズにも展開。

存在感ある力石咲さんの「Man Globe」は、センサーで瞬きをする!

森裕子さん。トーキョーワンダーサイトで発表し、キャリアを積んでいるアーティストも多数見かけました。

 

日本在住のシドニー・ピンクさん。きちんと額装されたドローイングは3000〜10000円くらいで、飛ぶように売れていました。

松岡慎吾さんの不思議ドローイング。

 

佐野森彦さん。 インパクトありました。

今回一番笑わせてくれたのがこの人、河地貢土さん。うまい棒を彫った円空の仏って!!!おやつの香りがプンプンです。

この方も、笑いをとっていました。笹田晋平さんの鮭の涅槃図。

FACTORY 53さんの「KAMIROID」。すごくよくできた紙ロボットで、アニメ作品も秀逸。

 

池添彰さんの、完成度の高い作品展示。

EXCALIBURさん。摩訶不思議な衣装も展示も、木彫りの食器類も興味津々。舞台に出たいとのことでしたが、ぜひパフォーマンスを見てみたいです。

なんかすごい迫力に圧倒されました。吉田真由子さん。

ちょっとエッチな仮面ライダー模様を大きな壁紙にしていた陳威圖さんは、台湾から参加。日本とはどこか違う感性が目立っていました。

 

連れの方々と熱狂した、 松隈健太郎と松隈雅江さんのぬいぐるみ。

マガジンハウスから作品集を出されたばかりの現代美術二等兵さん。この新作枕はヒットしそう!

 

カイカイキキのブースでは、先日の個展も大好評だった佐藤玲さんの展示。朝霧のアトリエで育つ緑をテーマに、スーパー・ピースフルな世界を展開。作品集を購入すると、サボテンやメダカのおまけ付き。

そしてそのお隣には、なんと御大Mr.の自室が出現!綾波コスプレのMr.は、平野綾ライブでもノリノリでした。

 

ひととおり見終わったら、後はゆるゆるお買い物。早田桂子さんのちょっと自虐的な雑巾は、GEISAIのお土産に。

ぐるりと会場を回ってみると、とにかく盛りだくさんで、お腹いっぱいの気分です。過去のGEISAIと比べると、今回は、傾向らしい強い傾向はなかったものの、どのブースも展示は洗練され、作品の価格が断然上がってきている印象を受けました。海外からの参加者が増えたのも大きな変化です。いつもながら、思わぬ新芽にたくさん出会え、満足至極のGEISAIクルーズでした。

Photo & Text by Noriko Miyamura